

大学卒業後、数ヶ所で研修を積み、2005年春に岩手県の雫石町で新規就農しました。「新規就農」という言葉には、「自給自足」・「田舎暮らし」・「夢やロマン」・「○○農法」など、様々なイメージが付随しがちですが、私の感覚には、どれもピッタリ当てはまりません。最初の勤め先で農業生産に携わり、「自分でやったほうが面白そうだし、何とかなりそうだ」と感じ、そんな楽観的な考えから就農にまで至りました。
当農場の基本理念は、「自分が食べたいと思える野菜を作り、私を生産者として信用して頂ける人達に提供する」というものです。
スーパーには、私には到底作れないような立派な野菜も多いですが、食べたくない・おいしくない野菜もたくさん並んでいます。また、消費者様のニーズと、市場側のニーズが必ずしも一致しないことが多々あります(そのギャップが産直の流行の要因でしょう)。それらは、大量流通・大量販売に適応した「見た目の規格化」に起因するところが大きく、一概に否定すべきものではありませんが、私は新規参入という立場上、その流れに乗るつもりはありません。消費者様のニーズに合うものを、様々な販路を開拓しながら、お届けしたいと思います。
また、当農場の生産物は無農薬・無化学肥料、あるいは減農薬・無化学肥料で栽培しています。化学肥料や農薬は、必ずしも「悪」ではないと考えていますが、単に、私自身が農薬売場で体調が悪くなるほどに化学物質が苦手なこと、農薬が残留していそうな野菜を食べたくないこと、化学肥料を使わなくても今のところ何とかなりそうなこと、そして現在の販売先の需要などの理由で、そのような栽培形式としています。生産者として、化学肥料・農薬に関しては、まだ確固たる理念にまで行き着いておりませんが、栽培における情報を開示し、ご理解頂いたうえで販売することを心がけております。
私は大学時代、野生動物(エゾモモンガ)の研究をしていました。農業という仕事は、野生動物に巡り合う機会が多いことも魅力のひとつで、当農場にも多くの野鳥や野生動物が訪れます。アオゲラ農場の名前にあるアオゲラも、農場の常連様で、農場内の小高い丘のてっぺんの木がお気に入りらしく、頻繁にドラミングしています。雪解けの頃にはピョーと大きな声で鳴きます。その声とともに、農場も忙しくなります。





